そもそも「生豆」って……? 珈琲豆は珈琲の実を収穫して、そこから皮と果肉を取り除いて、種の部分を精製して「生豆」(きまめ)となります。 珈琲豆というと、はじめから珈琲色をしているものと思っているかたも少なくないですが、収穫されたばかりの生豆は透明感のある白色をしています。 それが乾燥、研磨、脱穀され、出荷されるときには写真のようになります。ちょっとグレーっぽい緑色を含んだ色合いですが、これは品種によっていろいろです。 このままでは珈琲の香りもしませんし、そもそも、この状態では苦くてとても飲むことはできません。 これを飲めるようにするために、焙煎=ローストという行程を行います。 「焙煎って…?」 生豆は、焙煎することによって、はじめてあの珈琲独特の色になり、それぞれの豆が持つ甘みや苦味、酸味、コク、香りなどが生まれてきます。 つまり、どんなに良い豆を仕入れても、焙煎がダメならすべて台無し、ということです。 焙煎は、コーヒー豆の卸業者が行う場合と、仕入れた店舗が自分で自家焙煎する場合があります。 生豆屋はもちろん、自家焙煎でご注文いただいてから、その都度焙煎を行っております。 焙煎はその深さによって、8段階に分かれます。 すなわち、ライト、シナモン、ミディアム、ハイ、シティ、フルシティ、フレンチ、イタリアンの8段階です。 でも、普通はこれをさらに4段階に分けて、浅煎り、中煎り、深煎り、極深煎りに区別しています。 かなりざっくりした言い方です手が、おおむね深煎りすればそれだけ豆の苦さが強くなりますし、浅煎りすればそれだけ酸味が強くなります。 もちろん、豆の種類によって、深煎りに向いているものもあれば、比較的浅煎りのほうがよいものもあります。 それに、生豆の持つ味わいの要素は、苦味や酸味だけではなく、甘みやコクの深さも重要です。 そうした豆の性質や特徴にあわせて、絶妙な火加減やタイミングで焙煎を行い、さらに香りよく仕上げていくところに、焙煎の奥深さがあるのです。 |